発展途上国は、未だ経済格差が激しく、貧困層は貧困から抜けられずにいます。
私たちの活動しているインドは、人口が13億人にものぼり、世界第2位。その内20%以上が貧困で、世界の貧困層の1/4を占めています。更には、1日1.25ドル以下で生活をする人が人口の1/3、約4億人もいると言われています。このような貧困の犠牲となるのは、まず子どもたちです。彼らは、小さい頃から家業を手伝わなければならず、学校にも行かせてもらえません。そのまま大きくなり、計算も出来ない非識字者のため、カーストの残るインドの世襲を抜け出して、もっと良い職業に就く事も叶わず、児童労働や早期結婚をさせられる子どもたちが多くいます。また働き手を増やすため、子沢山になる家庭も多く、収入と支出が伴わず、更に家計を圧迫することも少なくありません。自身だけではなく、その子ども、そのまた子どももこの環境から抜け出す事が困難な状況に置かれています。
「学校に通えていれば。」
「大学まで行けていれば。」
教養があるということで、職業の選択幅は広がります。インド政府は、2009年より公立校での「子どもの無償義務教育権利法」を制定しましたが、環境が劣悪、教員の質の低下などにより、初等部中退率は約50%にのぼります。日本の学校の様に、1人に1セットの机や椅子があることはインドでは稀なことです。違う学年が一緒の教室で地面に座り、電気のない薄暗い中でノートを取る。毎日同じことの繰り返しで、授業の質の悪さ。トイレがない学校も沢山あり、女性の身体になる年頃の女子には大問題です。教員も、小学校しか出ていない人だったりする所も珍しくなく、教えることが出来なかったり、教員同士で終日世間話をしたり、無断欠勤で休校になったりと、多くの問題があります。

そこで、オンザロードでは、学費・学用品を全て無料で提供し、学業にかかる費用は一切ない私立小学校「マザーベイビースクール」を2008年、インド・バラナシに開校。インド人の聖地で、ガンジス川が流れる観光地の中心部より、車で約1時間程離れた、ラスタプールという村にあります。貧困層が多く住み、昔は異宗教や低カースト者が迫害されていた地域です。現在は、大学(最低でも高校)の卒業資格があるインド人教員を5名、日本人スタッフ1名で運営をしています。初等前教育のLKG(幼稚園年中~年長)と、初等教育のGrade1~5(小学校1年~5年。インドの初等部は5年制)までのレベルで、ヒンディー語・英語・算数・理科・社会・総合知識・道徳の授業を、月曜日~土曜日までの週6日で行っています。
現在の在籍児童は50名程。ほとんどがカースト(インドの身分制度)階級でも下位カースト、もしくはカースト外の家庭です。農業や家畜業、サイクルリキシャー、ゴミ清掃を生業にしている家庭が多く、経済的に裕福とは言えません。自身が学校に通っていないので、教育の大切さが理解出来なかった親たちに、理解してもらうための啓蒙活動を続け、現在は、子どもには良い教育を受けさせたい!という声が増えました。
マザーベイビースクールは、必須科目以外にも、常時受け入れているボランティアが特技を活かして先生になれる時間(実施例:ダンス・ヨガ・理科の実験・世界の話など)、スタディーツアーの催行や受け入れからの交流時間(実施例:日本の文化・運動会・遠足など)を設け、子どもたちの見聞が広がる特別授業を実施しています。村から出たこと、電車にすら乗ったことのない子どもたちには、異文化や授業以外での知識を得る機会が増え、毎回楽しみな時間になっています。
これからの課題は、IT大国でもあるインドには欠かせないパソコン授業の導入。低体重の子どもが多いインドは、抵抗力・免疫力、病気に打ち勝つ力が無く、体調不良で休みがちになる子どもが多いため、栄養バランスを考えた給食提供。1日1食浮くならと、学校に通わせる親も少なくないので、これをきっかけに、子どもたちには学校の楽しさや学ぶことの面白さ、親には子どもたちの無限の可能性を伝えられたらと思っています。

マザーベイビースクールを卒業した後は、ほとんどの子どもたちが公立の中等部に通いますが、高等部へ進学させられる家庭はほとんどありません。この進学資金の面でも支援が出来れば、下位カースト枠制度(指定の大学や企業などで下位カーストの人間を、入学・雇用しなければならない制度)を利用して、大学進学や企業就職も夢ではありません。そのために、まずは教育の第一歩である初等教育を受け続けさせるため、子どもたちも図工の時間にフェアトレード商品を作り、現地と日本で販売をしています。その収益から、自分たちが学べていることも理解し、更に買って頂く方に喜んでもらいたい!と一生懸命作っています。
子どもたちの成長を止めることは出来ません。誰にでも学ぶ権利は平等にありますが、国が違い、先進国と途上国だからの差が実際にあることは否めません。そんな中でも、1人でも多くの未来を背負っている子どもたちが、沢山の可能性の芽を出し、花を咲かせて実をつけれるように、地域のニーズに合わせ、且つより良い教育提供が受けれる場所として、今後も学校に通えない多くの子どもたちが、マザーベイビースクールに通ってくれるように、継続運営をしていきます。
マザーベイビースクールに通っている子どもからのメッセージ
UJALA ウジャラ(10歳)
父・母・姉・弟の5人家族。下位カースト層にあたるシュードラの家系。ダンスが得意で、将来はダンサーになりたい!そのために日々苦手な教科にも励む頑張り屋さん。家の掃除や食器洗いのお手伝いも率先してやり、弟の面倒もよくみてる思いやり溢れる女の子。
【MESSAGE】
日本の皆さん、こんにちは! 私は、マザーベイビースクールの4年生で勉強をしています。この学校に通って、勉強が出来ることももちろん、沢山の日本人の方々に会い、色んなことを教えてもらいました。私はダンスが大好きなので、中でもダンスが学べた日が1番の思い出です。将来の夢はダンサーになること。勉強も頑張って、この夢を叶えたいです。これからも沢山の日本人の方にお会い出来ることを楽しみにしています!応援・寄付してくれている皆さん、私たちのためにいつもありがとうございます。
マザーベイビースクールを支援する
今、こんなサポーターを募集しています! プロジェクト指定のご寄付大歓迎です!

子どもたちへ毎日の学び提供〝マザーベイビースクール卒業まで〟サポーター
子どもたちの学用品(教科書・ノート・筆記具・制服・靴&靴下など)の提供がまだまだ安定していません。現在は、教科書や学用品・備品を使い回して使っています。学校に通えることが当たり前になるように!毎日通えるように!
給食を安定して提供してくれる〝学びと給食をプロジェクト〟サポーター
毎日給食を提供し続けることができていません。給食があることで毎日学校にくる子どもたちが増え、十分な栄養が摂れていない子どもたちの体のバランスを整えられます。
学校設備にご協力いただける〝学校を一緒に創ってくれる〟サポーター
夏は暑く、冬は寒い環境で、すべての子どもたちに平等な設備を整えたい!
卒業後も大学までご支援いただける〝脱カーストプロジェクト〟サポーター
カースト=世襲制度。卒業しても、家業の手伝いに駆り出され、学業を継続できない子どもたち。物乞いは一生物乞い。大学まで通えれば、カーストを飛び越え、希望の職業に就ける!自由が手に!
ご寄付についてはこちらより プロジェクトのご指定は備考欄へ、ご記載お願いいたします。
お金を寄付する
現地では継続的なサポートを必要としています!
月々の、マンスリーサポートで
10,000円 | 1人の子どもが1年間無料で学校に通えます。
5,000円 | 1年間の継続サポートで、5人分の文具と教材提供が出来ます。
3,000円 | 1年間の継続サポートで、10人分の制服一式を提供出来ます。
1,000円 | 1人分の1ヶ月給食提供が出来ます。
都度の、ワンタイムサポートで
50,000円 | IT授業用のパソコン1台が購入出来ます。
30,000円 | 教員の1ヶ月分の給与が渡せます。
10,000円 | 子どもたちに1週間分の給食(軽食)が提供出来ます。
5,000円 | 月々の学校の最低限のメンテナンスが可能となります。
3,000円 | 1ヶ月教室に電気が届けられます。
1,000円 | 1ヶ月の水代になります。
物品を寄付する
インドで〝今〟必要なもの。
IT授業用のパソコン、写真授業用のデジタルカメラ、スウェーデン刺繍の布と糸、先生の赤ペン、消しゴム、教室用の大きな鉛筆削り、ノート(使い古しでもok)
ただ、運搬に費用もかかります。1万円の寄付でインドではノートが1,000冊買えちゃいます!日本で収集して頂くこともありがたいですが、寄付ですと、現地で欲しいものを、必要な時に購入することができます。
ご協力・お問い合わせはこちら
現地でボランティアをする
日曜日、インドの祝日やお休みの日以外で、バラナシで運営するフリースクールのボランティアを募集しています!

- 対象者
- 特技を活かした授業をしたい方
- 現地のフリースクールのお手伝いをしたい方
- 見学をしたい方
- お申し込み・お問い合わせ
- お申し込み・ご質問はこちらからです。
- Mail (india@otr.or.jp, infor@otr.jp) でも受け付けております。
- お申し込みは、早めにお願いいたします。(※調整期間を確保するため、遅くとも1週間前にはお願いします。)
- 費用
- 現地のボランティア調整代として1日2,000円/人を頂戴しております。(小学生以下1,000円)
- 各種クレジットカードをお取り扱いしております。(カスタムのところで金額を入力してください。)
- ▼銀行からのお振込はこちら▼
- 銀行名:三井住友銀行 下北沢支店 口座番号:普通 1491243 口座名義:特定非営利活動法人オン・ザ・ロード
- その他
- 現地には日本人スタッフがいない都合上、ボランティアの案内担当はインド人の先生であるため、調整にお時間を要する可能性、日本のようにスムーズに連絡が取れない可能性があります。ご了承ください。
現地でスタッフをする
インドのバラナシにあるフリースクール運営に協力してくれる現地スタッフも探しています!

- 適した人物
- インドが好き又は興味のある方
- NPO、途上国支援に関心のある方
- 応募要件
- 日常会話程度の英語力
- 基本的なパソコン操作能力(ワード、エクセル、Googleドキュメント、Googleスプレッドシート等)
- 最低半年以上、インドに滞在できること
- 待遇
- 現地での作業にまつわる交通費支給
- ※ビザ代、航空券費、生活費は実費となります。
- ※2025年3月現在、ビザの関係上、6ヶ月の滞在となります。
- 6ヶ月〜数年単位で滞在できる方への優遇
- (ボランティアスタッフ経験後、数年単位での滞在が可能な場合に限り)有給スタッフへの昇格
- お仕事内容
- 現地活動の運営全般
- 事務作業(パソコン必須)
- 東京事務局とのやりとり(例:助成金申請、交流企画の共同作業等)
- 日本人旅行者の対応
- ツアーガイド、アテンド、企画等
- 書類作成や行政とのやり取り
- 学校の子供たちの対応
- ※学校運営の為の活動、事務作業が中心です。
- お申し込み・お問い合わせ
現地へ行って、本当の世界を知る・学ぶ〝スタディーツアーへ参加する〟★オススメ★
年末年始、お盆、GW、SW、インドのお祭りホーリーのタイミングで、オンザロード主催のスタディーツアーを随時開催しています。
日本でのサポート、現地ガイド、デリー・タージマハル・バラナシ観光、子どもたちとの交流、そしてインドの裏話(笑)など、絶対に1人では行けないツアーを随時募集中。スタディーツアーで設定のお日にちが難しい方、バラナシのみのガイドも始めました!
インドの子どもたち/スタッフの作ったフェアトレード商品を購入する
購入いただいた売り上げは子どもたちの授業料になります。現在、子どもたちもこの仕組みを理解し製作しており、自立した運営につながります。
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インドを日本から支えてくれる縁の下の力持ち大歓迎! 詳細はこちらへ
インドに関するお問い合わせ:india@otr.or.jp
本事業は、2022年4月より「草の根市民基金・ぐらん」様より、一部助成を受けて活動をしております。
「草の根市民基金・ぐらん」詳細
